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2000年10月
カンボジアプノンペン

 なぜカンボジア?と思われるかもしれない。
よく深読みされるのだが海外支援をやろうと思ったわけではない。

何百枚何千枚ものTシャツを使って屋外アートをやっていたら
知らぬ間に部屋がはちきれそうなぐらいのTシャツを所有することになってしまった。

何とかして処分したいが捨てるのはもったいない、
かといって使用済みのTシャツを喜んでくれる人はなかなかいない。

そんな時、近所に住んでいるカンボジアの人に出会った。
話をしているうち
「Tシャツをカンボジアにもって行き、
そこでTシャツアートでもやってそのまま現地の人たちに渡してこよう」
という計画が持ち上がった。

だから、私にとっては在庫処理。でも現地の人たちも喜んでくれたのだから一石二鳥というわけだ。

このとき初めて私の代表作のひとつとなる風船Tシャツが生まれた。
当時はこれっきり、子供たちと楽しく作れたらなあという感じで発案した。

しかし、風船をお尻の形にしたのがうけて、いまだに各地でお呼びがかかる。
そればかりか、この風船を尻型に加工する技術をさらに上達させ、今では風船アートなるジャンルを確立してしまった。(詳細はコチラで)

先日、人に風船アートの経緯を説明していて「要するにすべてはお尻から始まったのです。」で締めたら爆笑された。

・・・「すべてはお尻から始まった」・・・・私のアートはなんと哲学的なのだろう。