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このTシャツは30年前に絶滅した「ノーパン喫茶」を
今、復活させたとある実業家からオーダーされたものである。


なんでも彼は離島の高校生だったころ途切れそうなTV放送から
ノーパン喫茶の情報を知ったのだった。
電波の発信地は当然東京・大阪という大都会で、
一週間遅れで新聞が届くこの地では彼のみぞ知る事実であった。


東京に上京するべく劣等生の彼は猛勉強した。
その結果めでたくこの離島始まって以来の上京人となった。
出発の日は島民の大喝采をあびて見送られたのだが彼の動機は誰も知らない・・・。


意気揚々と羽田を降りた彼は重い荷物もそのまま歌舞伎町に直行したのであった。

しかし、ブームとは恐ろしいもの・・。
彼が勉強でTVをみる暇も無いうちに
とっくにノーパン喫茶ブームは去ってしまっていたのだ。


一時はすべてのやる気をなくし都落ちも考えたのであったが、
帰郷して親から「何でこんなに早くもどってきた?」と聞かれて
うまく返答できないことに気づき帰るに帰れない状況に陥っていた。


失意のどん底である妙案が浮かんだ「そうだ、無いんだったら自分で作ろう!」
アイデアは簡単だったが実現にはおよそ30年かかったのだ。

この間彼は事業で大成功し巨万の富を手に入れた。
動機は簡単、そう!ブームなんかに流されない強大なノーパン喫茶を創るため・・・。


今ここに、最高級のノーパン喫茶がオープンしようとしている。
ウエイトレスには絶世の美少女達をそろえた。

御殿のような外装ときらめく内装・・。当然床は総鏡張りである。

オープニングパーティが今週末開催されるが
私も記念Tシャツ製作者として招待されている。


招待状が届いてから毎日眠れない生活が続いている。